6月1日の小石川植物園での観察会では、残念ながら上記画像のような蕾でしたが、京都でもベニバナが開花しました。

ベニバナはエジプトを含む中近東地域が原産ですが、シルクロードを通じて、紀元前2世紀頃に中国に伝わりました。当初は染料としてのみ利用されていましたが、ベニバナには薬用として活血化瘀(かっけつかお)作用もあることがわかり、ベニバナの管状花を乾燥させたものを「紅花(コウカ)」という生薬として利用するようになりました。
(^^♪ 活血化瘀作用とは:「活血」は血行促進、「化瘀」は瘀血(血の滞り、血行不良)を取り除くことを意味します。

観察会でも少しご説明しましたが、「紅花(コウカ)」は血行促進作用が強く、また使用量により作用の仕方が変わりますので、注意が必要な場合があります。ベニバナはその美しい色から薬膳料理や薬膳茶にも用いられ、古くから人々の健康を支えてきた重要な生薬ではありますが、作用はシャープですので、薬用として利用する際は事前に専門家にご相談されるようにお願い致します。
次回は、『古代エジプト人とベニバナ』についての興味深いお話しです。どうぞお楽しみに!