街中がピンクに染まる時、あえて選びたい『白い花』 リキュウバイ(利休梅)のお話し

誰かに話したくなる植物のお話

お花見に、桜スイーツ。春といえば、やはりサクラなのですが … 誰もがサクラを見上げている時、あえてこの花を愛でたい――。そんなふうに思わせてくれる植物が、バラ科の隠れた名優・純白のリキュウバイ(利休梅)Exochorda racemosaです。

開花時期:3月中旬~4月頃まで

茶聖・千利休さんの名を冠したこの花は、まるで喧騒を避けてひっそりと佇む茶室のような、潔い美しさを持っています。今回は、サクラが満開の今だからこそあえてご紹介したい、この慎ましやかなリキュウバイ(利休梅)について少しだけお話しさせてください。

ここでちょっとした、春のミステリー⁉
この花の名前、「リキュウバイ(利休梅)」と呼ばれていることから、「きっと千利休さんがこよなく愛した花なんだろうな」と思われがちですが、実は……。

千利休さんのイメージ

この植物が日本にやってきたのは、明治時代。そう、利休さんが活躍されていた安土桃山時代から、300年以上も後のことです。つまり、利休さんご自身は当然のことながら、この花をご覧になったことは無く、存在すら知りません。

「えっ、では誰が名付けたの?」と思いますが、おそらく、明治時代のどなたかがこの花を見た瞬間、”「信長」でも「秀吉」でもなく、この静かな白には「利休」の他には考えられない!”と確信して名付けてしまった……というのが有力な説です。(諸説あります)
数ある歴史上の偉人の中から、あえて「お茶の神様」利休さんを引っ張り出した当時の方々のイメージ力や高い感性のおかげで、現代人でもリキュウバイ(利休梅)から、何となく時空を超えた『わびさび』を感じることが出来ます。

Kahorin
Kahorin

サクラが春の『表舞台』なら、リキュウバイは静かな『奥座敷』のような存在に思えます。
明治時代の日本人が勝手に名付けたリキュウバイ(利休梅)、利休さんは茶道という厳しい世界を極めた一方で、実は粋な遊び心も解する方だったようですので、「それもまた、一期一会ですな」と笑って許してくれそうです。

今回のお話しの最後に、リキュウバイ(利休梅)の6月頃の果実の様子をご紹介します。とても愛らしいと思って頂けると嬉しいです。


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