前回の続きのお話しです。
古代エジプトでは、祭祀において神々にブドウを捧げることが一般的でした。ブドウは、豊穣・不死・子孫繁栄そして喜び、また神々への感謝の気持ちや祈りの象徴として捧げられました。
古代エジプトの遺跡からは、ブドウが神々に捧げられたことを示す証拠が数多く発見されています。神殿の壁画には、ブドウを捧げる人々の姿が描かれており、またブドウが描かれた壺や容器も見つかっています。
※ カルナック神殿(ルクソール): カルナック神殿の中でも最大級のアメン大神殿には、豊穣の神であるハピ神に捧げられたブドウの房を描いた壁画があります。また神殿の庭では、実際にブドウが栽培されていたと考えられています。
※ 王家の谷(テーベ): 黄金のマスクで有名なツタンカーメン王の墓からは、ブドウや様々な果物・穀物が納められた副葬品が発見されています。壁画にもブドウを収穫する様子や、神々にブドウを捧げる様子が描かれています。
これらの遺跡は、古代エジプトの人々がブドウをどのように栽培し神々に捧げていたのか、またブドウがいかに古代エジプト社会において、重要な役割を果たしていたかを示しています。
ギリシャ神話にも、ブドウと深く関わる神としてゼウスの息子であるディオニュソスが登場します。ディオニュソスは、豊穣・ワイン・演劇などの神として知られています。彼は、世界各地を旅してブドウ栽培とワイン作りを人々に教えた神として広く信仰されています。
ヴァイン(Vine)は、繁栄や五穀豊穣のみならず、神様への貢ぎ物としての大切な役割を担う聖なる樹木なのです。そのためヴァイン(Vine)は、どんな状況であろうと秋に実りをもたらすという使命を果たすための意志の強さを備えています。
周囲からは、ヴァイン(Vine)が、目的達成のための「揺るぎない自信・前途洋々」や「限界を超えた責任感」に満ち溢れた頼りになるリーダーかのように見えます。
しかしその強みや自信が、ある時、追いつめられて「生き詰まりや堅苦しさ」や「頑固さ」として一人歩きすることがあります。あるいは、ヴァイン(Vine)はリーダーシップの裏側にある「孤独」を感じ、誰かに救いを求めることがあるかもしれません。
ヴァイン(Vine)の果実は、未熟な状態では果肉が固く苦みもあり「生き詰まりや堅苦しさ」を表すような緑色を呈し、次第に赤、紫、赤褐色など様々な色に変化します。
成熟して紫になると果肉はみずみずしく柔らかくなり、甘みや香り、栄養価などが揃い「生き詰まりや堅苦しさ」は解消されます。そして美味しいワインとなって、神々や人々に多くの恵みを与えてくれます。
リーダーシップの裏側にある「孤独感」も、美味しいワインと、本音で語り合える仲間がいれば、万事解決です(笑)