『植物』は身近な存在、でも知らないことがたくさんあります。
毎日の通勤通学中、スーパーで買い物していても、食卓に並ぶお皿の上を見ても、野菜や果物・ご飯やパンなど、おそらく植物を目にしない日はありません。それほど植物は、私たちの周りに溢れています。
しかし、こんなに近くにいるのに「植物ってどんなところで、どんな風に生きているのか?名前は?花や種の大きさや色は?食べられる?薬になる?」など疑問を投げかけると、残念ながら「さっぱりわからない‼」という方がほとんどのような気がします。
そもそも植物は動き回ることなく静かにずーっと同じ場所で暮らしていて、また私たち人間と違う言語を持っているようで、どうも植物と会話を成立させることが困難なことから、現代人にとって植物は理解不能な存在になってしまいました(涙)
先日、あるビジネス系の雑誌で『成功者に学ぶ成功する人の特徴と共通点』という記事を見かけました。その中で「成功者は人生の目的と目標が明確で大きく‼、常に新しいことに挑戦している」という言葉を目にしたとき、そう言えば植物界は昔からやっていて、そんなのは当たり前のことなのに?と思ってしまいました。
花は、大きい方が昆虫に見つけてもらう確率が上がるため、出来ることなら大輪の花をつけたいと思っているらしいです。しかし私達人間社会と同じように、そうは言っても、植物にとって実際に大きな花を咲かせるのは簡単な話しではないですよね、おそらく。
でも植物は、ここで諦めないのです。
マメ科 シロツメクサ(Trifolium repens)の工夫
シロツメクサは別名クローバーの名で親しまれている多年草で、ちょっと難しい言葉で説明しますと、春から夏にかけて、白く小さな蝶形の花が球状の総状花序を作り、また葉は3小葉からなる複葉で、4小葉(簡単に言えば、見つけると幸せを呼んでくれるらしい四つ葉のクローバー)からなる奇形も時々みられます。
まるで1つの球状の花のようにみえますが、実は長い柄(花梗)の先に長さ1cmほどの小さな花が30~80個集まって咲いています。
大きな花を咲かせるのは容易なことではありませんが、小さな花がたくさん集まったら、大きな花に負けない位の大きさに見えませんか?大きく見せることで、写真のようにミツバチさんがちゃんと見つけてくれました。
有名なショッピングモール(=シロツメクサの総状花序)も、良く考えれば、小さなショップ(=シロツメクサの小さな花)が数多く出店することで巨大化し、そこに多くのお客様(=ミツバチなど)がご来店していますよね(笑)
人間が一生懸命考えた経営戦略に相当することを、かなり昔から植物は普通に考え、それを実践しています。ちなみにマメ科だけでなく、アブラナ科やキク科植物の多くもこの戦略を採用しています。
薬剤師Kahorinが目指すところ
このBlogでは、植物好きの薬剤師Kahorinがちょっと(かなりかもしれません)変わった目線で、植物を観察して感じたこと、時には植物から学んだこと、植物と関連しているお薬や有機化学のお話しなどを皆様にお伝えしていきたいと考えています。
植物好きの方には更にお好きになって頂けるように、また植物なんて特に興味ない方にも「植物って面白い、植物って凄い!」と思って頂けるようなblogを、不定期ではありますが配信していく予定です。
時々、植物とかけ離れたこと(例えば法律、文学、音楽、落語やアジア系ドラマなどなど)について綴ることもありますが、最後まで読んで頂ければ植物と繋がる記事になるよう心掛けますので、お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願い致します。