ゴールデンウィークの終わり頃、4枚に深く裂けた純白のひも状花弁を持つ小花が、樹幹を覆いつくすように優しい香りを放ちながら咲く不思議な植物「ヒトツバタゴ」、非常に珍しくあまり見慣れない樹木であるため、通称「ナンジャモンジャの木」として呼ばれています。
植物園に来園された皆様にヒトツバタゴの印象をお尋ねすると、『シュレッダーで裁断したコピー用紙を降りかけたような花』とか、『白い雪に覆われたような花』などご意見は様々
現在放映中の朝ドラ『らんまん』の主人公である牧野富太郎博士は、ご自身が学んだ植物の正確な知識を世の中に広めたいというご意志から、多くの随筆を残されています。
随筆の中で、本来の植物としての名前がわからないために、人々が適当にナンジャモンジャの木と呼んでいる樹木が日本中に多く点在していることを明らかにし、勝手に名付けられてしまったナンジャモンジャの木を「にせもの」と「ほんもの」に分類しました。
ちなみに、「にせもの」のナンジャモンジャの木のリストの中に「ヒトツバタゴ」も含まれていました(笑)そして本当の植物名、つまり「ほんもの」のナンジャモンジャの木は、牧野博士により千葉県香取郡で発見されました。
残念ながら、すでにヒトツバタゴの花の見頃は終わっていますが、もしご興味のある方は来年5月頃、京都府立植物園で観察することが出来ますので、是非足を運んでみてください。
もしかすると、イカシュウマイ⁉のように見えるかもしれません。