ナンテン Nandina domestica とお赤飯、そして本草学

誰かに話したくなる植物のお話

先日、植物園をご案内している時、こんなご質問を頂きました。

昔は、お赤飯の上に葉っぱがのっていた気がするけど、あれは飾りが目的なのかしら?最近は、その形に似ているプラスチックの葉っぱがのっているけど⁉

お祝い事には欠かせないお赤飯は、アズキやササゲを入れて炊きあげたものですが、昔はお赤飯の上にナンテンの葉が添えられていました。
葉は黄色ブドウ球菌など食中毒を引き起こす菌に対して抗菌力があるとされています。ナンテンの葉を数枚添えただけでその効果を期待するのはちょっと?思われるかもしれませんが、ナンテンの作用は決して迷信ではなく、実際、ナンテンには抗菌作用のある成分が数種類含まれています。

本草書でナンテンを調べてみますと、これが結構興味深い内容なのです。

昔から、ナンテンは咳止め(今でも、南天のど飴ありますよね)や解熱剤として利用されていたようです。陰陽五行説によれば性質は「水」で寒性、そのため、熱を冷ます目的で使われたのでしょう。
実はナンテンには、赤い実がなる一般的な赤ナンテン、白い実がつく白ナンテン、他にもいろいろな色のナンテンがあります。

本草書には、咳止めや熱さましには白ナンテンは◎、赤ナンテンは効果なしと記されています。
中医学だけでなく観相学という学問でも述べられますが、例えば、青白い顔をした人は「寒」、一方、赤い顔をした人は「熱」があると考えます。
ですので、その考え方をそのままナンテンに置き換えますと、白ナンテンは「寒」(冷やす)、そして赤ナンテンは「熱」(温める)になるのです。

チモ博士
チモ博士

ナンテンの成熟果実には、ドメスチン(アルカロイド類)などが含まれ、鎮咳薬に用いられます。お赤飯などの上にナンテンの葉をのせる風習は、葉に含まれるアルカロイド類やシアン化水素による殺菌・防腐効果を期待して利用されたものです。

ちなみに、ナンテンの果実の赤白で明確な効果の違いはないという意見も一部ありますが、研究データが少ないため、正直に言いますと、今のところ良く分かりません。


チモ博士のような説明も素晴らしいですが、そのご意見に加えて、kahorin流では、

Kahorin
Kahorin

植物が内面に秘めているチカラ(薬効)は、必ず、外側に「標(サイン)」が現れるという、多くの経験から導かれた先人の知恵の塊のような本草学の考え方、素晴らしいと思います。
あとは、いかに植物のサインを正しく見定めるか?ここが、ポイントです。

秋が深まる11月頃、ナンテンの赤や白の果実の見頃を迎えます。


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